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合気道歴4年目の私が語る 「なぜ合気道は嘘くさいと言われるのか?」

痩せ細った老人がバッタバッタと大男を投げ飛ばす。

昔、合気道を紹介するTV番組でそんなシーンを見たことがあります。
必ずといっていいほど小柄で痩せた老人が、自分の弟子らしい大男たち34人を触れたか触れないかのうちに、次から次へと投げ飛ばすシーンです。 

みなさんも一度くらいは見たことがあるのではないでしょうか? 

まるで時代劇のワンシーンを見ているようで、正直、嘘くさいと思いました。笑
今、私は合気道の世界にいます。人生わからないものですね。

合気道に対するイメージが変わったのは、NHKの番組で「SAMRAI SPRIT」と題し、K-1戦士のニコラス・ぺタスが合気道を紹介しているのを見てからです。この番組では、ぺタスが実際に合気道を経験しながら合気道を科学的に検証をしていました。合気道の師範がぺタスの力のベクトルを自在に操りながら相手を制していることがよくわかりました。 

さて、冒頭のシーンについて、合気道4年の自分が感じることを書いてみたいと思います。

あれは演武です。

しかし、時代劇のように完全に決まったシナリオがあるわけではなく、弟子たちは合気道の範疇で決められた攻めの手段を使っています。

合気道の攻めの手段とは、正面打ち、正面突き、横面打ち、片手取り(相手の片手を取りに行く)、胸取りなど他にも多種多様にあります。

師範はその範疇の中で弟子たちの攻めを想定していますが、最初は正面打ち、次は片手取りなどといった事前打ち合わせはありません。
ちなみに合気道には自分から攻める技はありません。相手が攻めてくることを想定し、相手の力のベクトルを利用して逆に相手を制するのです。

ゆえに合気道に試合はありません。
植芝盛平開祖の合気道を継承する合気会には試合がありません。他の流派では試合をする合気道もあるようです。

試合がありませんので、稽古は攻める側とそれを受けて技をかける受け側になって、交互に稽古をするのです。そして試合が無い代わりに、日ごろの稽古を披露する場として演武大会が開催されます。

合気会が主催する全日本演武大会のような全国区のものもあれば、各団体が親睦のある団体を招いて開催する小さいものまであります。そこには入会して1か月の初心者であろうが、何十年も稽古している師範クラスの人であろうが、一緒に同じ舞台で演武をします。

私も入会して2か月で全日本演武大会に参加しました。
自分が日本武道館に立って演武をするなんて信じられなかったですが、とても気分が高揚しました。

初心者の頃は、相手の攻めを自然に受け流して技をかけることはできませんし、相手の技に対し、正確に受け身を取ることもできませんから、相手と事前に攻めの手段とかける技の順番を決めて演武大会当日まで、繰り返し稽古をします。

これが有段者(黒帯)になると、事前に打ち合わせをしなくても、演武の中で自然に反応して技を出したり、受け身を取れるようになってくるのです。
繰り返しになりますが、テレビのシーンは演武をしているのです。
それも相当精度の高い演武です。

師範は相手の力のベクトルを自由自在に操って相手の動きを制しているので、弟子たちはそれを無理に抵抗しようとすると関節をひねってケガをしてしまいますので、自ら受け身を取りに行っているのです。

また、この受け身の仕方が"飛び受け身"といって、頭を支点にして足がクルっと上に回るので、わざと投げ飛ばされているように見えてしまうのです。

個人的に飛び受け身は見栄えを意識した演武用であって、本当に自分の身を守る目的であれば不要だと思います。 

それでは、もし弟子たちが合気道の範疇を越えた攻めをしたらどうでしょう?
本当に倒すつもりで数人でタックルをしにいったり、変則的なパンチや蹴りを出したとしても、師範は演武と同じように相手を捌けるでしょうか?

 捌いて欲しいですね!

でも現実にはなかなか難しいと思います。たとえば相手がUFCの選手、プロボクサー、極真の空手家だとしたら・・・。彼らは素早くて多彩な攻撃を繰り出すことができます。合気道ではその技を一瞬で見極め、相手とつながり、相手の力のベクトルを操る必要があります。合気道の稽古だけをしていては、そのような実践的な攻撃とスピードを体験することができないのです

そもそも、植芝盛平開祖が伝えようとした合気道は、誰かを倒すためのものではないのです。肉体を鍛えるだけではなく、相手と協調する心を鍛え、人と争わない心を養うのです。つまり、稽古を積んで高段者になればなるほど人と争う気持ちが消滅する筈なのです。ゆえに合気道は決して負けることがない最強の武道だと思っています。

 See you next !!