1.海外旅行保険の基本情報
1)保険料が決まる条件は?
海外旅行の場合、保険料は下記3要素で決まります。
生命保険や医療保険と違い、海外旅行の場合は短期期間のため、年齢・性別による死亡リスクの違いは問われないのです。
- 旅行期間
- 旅行先
- 補償内容と補償金額
2)基本的な補償内容
海外旅行保険にもさまざまな補償内容や特約が存在しますが、代表的な補償内容は以下の通りです。
いずれの補償も旅行期間中、もしくは帰国後XX日以内と制限が設けられています。
- 死亡・後遺障害
病気・ケガにより死亡、もしくは後遺障害が残った場合に支払われる保険金 - 治療費用
病気・ケガにより病院で診察を受けた時の診察費や、通訳を呼んだ場合の費用、緊急入院や手術が必要になった場合の施設移送費用、手術や治療にかかる費用、入院にかかる身の回り品の購入、電話代などがこの保障から支払われます。 - 救援者費用
被保険者が飛行機の墜落や行方不明になった時の捜索に掛かる費用や、家族が現地に行くためのエアーチケット代・滞在費、現地からの移送費用、遺体処理費用などがこの保障から支払われます。 - 個人賠償責任
被保険者が偶然な事故によって、他人にケガをさせたり、所有品に損害を与え、賠償責任が発生した費用や、裁判をするときに雇った弁護士費用などがこの保障から支払われます。 - 携行品損害
旅行中に携行している身の回り品が偶然な事故で壊れたり、損害を被った時に
支払われます。だいたい、限度額が設定されています。 - 航空機寄託手荷物遅延
飛行機に預けた荷物が到着後も手元に届かなかった時に、代わりに購入した衣料品や日用品、カバン代などの費用が支払われます。 - 航空機遅延費用
搭乗予定の飛行機の欠航や、指定の時間を越えた出発遅延が発生した時に支払われます。欠航の時は追加の宿泊費用、食事代、交通費などが支払われますし、予定していたオプショナルツアーに参加できなかった場合のキャンセル費用なども対象になります。
2.絶対に入っておくべき補償は?
ズバリ、治療費用と救援者費用です。
保険金額は無制限、最低でも2,000万円以上の補償を付けておきたいです。
逆にこの補償さえ掛けておけば、他の補償は不要です。
1) 治療費用と救援者費用に入る理由
海外では健康保険が効かないので、入院や手術などの治療に対し、予想をはるかに超えた費用が発生する可能性があります。
2)事故事例
下記、保険金発生事例は実際に発生した事故をベースに作成しています。
事故概要
感染症にかかり、医療チャーター機で治療可能な国外の病院に搬送。ICUで治療。
入院期間30日。両親が日本からかけつける。
帰国時は民間機のビジネスクラスで父親と看護婦が同伴したケース。
掛かった費用(トータル2,100万円)
- 搬送費用 ¥6,000,000(医療チャーター機使用)
- 治療費 ¥10,000,000
- 搬送費用 ¥3,000,000 (付添看護婦費用・本人航空機代等)
- 救援者費用 ¥2,000,000(ご両親の往復交通費・現地ホテル代等)
いかがですか?
誰にでも数千万円規模の支払が発生する可能性があるということを知ってください。
特に50歳以上になると脳卒中や心筋梗塞など3大疾病を発症するリスクが高まりますし、旅行中はついスケジュールがタイトになり、食事やお酒も取りすぎてしまう傾向にありますので、さらにリスクが高まります。
治療費用と救援者費用はセットと思って、可能な限り無制限に入る事をお薦めします。
3. 他の補償が不要の理由
1)死亡・後遺障害
他の生命保険などで既に入っている方が多いですよね。海外旅行のために二重に入る必要はありません。もし他の保険に入っていないのであれば話は別です。
ただし、子供など収入の無い人は、仮に死亡しても家計に大きなダメージはないので入らなくても問題ありません。
2) 個人賠償責任
旅行中に賠償が発生するような事故が発生する可能性は極めて低いですが、保険料は補償金額1億円に対し、10円なので入っておいてもいいかもしれませんね。
特に小さい子供は何をするかわからないので、子供の保険に付けておくのはいいかもしれません。
3)携行品損害、航空機寄託手荷物遅延、航空機遅延費用
これらの補償ははっきり言ってオマケです。
仮に保険金が発生する事故にあって保険金をもらえたらうれしいですが、無くても大きな問題になりませんよね。そんなものに保険金を払うくらいなら、現地でおいしい食事を食べてください。
4. 持っているクレジットカードに海外旅行保険が付帯しているか確認しましょう。
最近はサービスとして海外旅行保険を自動付帯しているクレジットカードが増えました。まずはご自分が持っているクレジットカードを確認してください。もし付帯されていたら、あとは足りない補償だけを追加すればいいですよね。
治療費用と救援者費用はついていても200万円程度だと思います。
はっきりいってその補償額では心元ありません。
5. セットプランでの契約は損!
保険会社はだいたいセットプランで販売しています。その方が保険料が高くなるので当然ですよね。皆さんも面倒だし、何となくセットプランを選んでいませんか?
海外旅行保険に入るには、空港の保険カウンター・ATM、保険会社のサイト、ツアー会社の申込書などいくつか方法がありますが、ほぼセットプランからの選択式です。
これからは必要な補償を必要な金額だけ入ってください。
因みに私は損保ジャパンのサイトで「新・海外旅行保険【off!】」に入ります。
ハワイ10日間で「治療費用」「救援者費用」をともに2000万円付帯して、
保険料は2,000円程度です。
6. 海外旅行保険に入るメリットは補償だけではない。
不要な補償まで入る必要はありませんが、海外旅行保険に入る事をお勧めします。 なぜなら、もし事故にあった時に様々なサポート受けることができるからです。
1) 事故にあった時の緊急連絡対応(24時間日本語サポート)
家族が病気になったり、事故にあった時、海外ではとても心細いです。
各保険会社は24時間サポートで事故受け対応をしています。
滞在先から近い日本語サポートの病院の紹介や通訳の手配など、いざという時の強い味方になってくれるでしょう。
2) キャッシュレス治療サービス
保険会社が提携している病院なら、診療や治療に掛かる費用などをすべて保険会社が代理で支払ってくれるサービスです。
日本と違って健康保険がききませんから、費用が高額になるケースもあり、一時的でも自己負担するのはきついですよね。これも結構助かります。
緊急コールをすれば、提携している病院を紹介してくれるはずです。
以上、万全な準備をしたうえで、楽しい海外旅行を楽しんでください!
See you next !!