今回は小学校2年生の頃に体験した不思議な話をしたいと思います。
その年は新築の家に引越したばかりで、2階の洋室を弟と共有であてがわれました。
初めての子供部屋で興奮した事を覚えております。部屋には2段ベッドがあり、私が上を、弟が下を使っておりました。
その頃の私はだいたい2時頃に目が醒め、トイレに行く習慣がありましが、暗い階段を下りなければならず、苦痛の時間でした。
その日もいつもと変わらず、夜中に目が醒めました。目線の先にはデジタル時計が置いてありましたので、2時を過ぎていた事を覚えております。
さほどの尿意ではなかったので、恐怖を圧してまでトイレに行かずともこのまま朝まで凌げるのではないか、いや数分の恐怖さえ耐えられれば、その後の安眠が待っているではないか。と、しばし葛藤を続けておりました。
すると奇妙な事が起こったのです。
仰向けに寝ている私の後頭部を何かが突き上げたのです。人指しゆびのような何かで。弟がふざけて下からベッドを蹴り上げる事がありましたが、その感覚とは全く違うのです。
それは枕の下から後頭部を突き上げられる感覚でした。私は反射的に起き上がりましたが、特に変わりはありませんでした。しかし、何か違和感を感じたのです。
視線を右にずらすと、シーツから何やらおかしなものが見え始めたのです。部屋には消灯ランプが点いておりましたので、周りを見渡せるくらいは可能でした。
最初はぼんやりと見えていた物が、あぶり出しのように浮かび上がってきたのです。
それは男の子の顔?いや、そのようなものといった方がよいでしょう。
なぜなら両目はすべて黒目で、その中を血管のようなものが走っておりました。髪の毛はボサボサで、顔全体はまるで幼稚園児が書きなぐったような粗雑さを感じる物でした。
これは現実なのでしょうか、それとも錯覚なのでしょうか?
何が起きているのか解らないまま、「消えろ、このやろう」とつぶやきながら、ひたすらシーツを叩き、こすりました。やがて顔はすうっと消えてなくなったのです。
その時間は恐らく数10秒の出来事だったでしょう。でも、とてもゆっくりと時間が流れていた感覚がありました。尿意も忘れ、しばらく茫然とシーツを眺めていたのを覚えています。
弟は下ですやすやと寝ておりました・・・。それからというもの私は仰向けで寝ることが出来なくなりました。顔が浮かび上がった逆側に枕を寄せ、うつぶせで寝る習慣が出来てしまったのです。
そんな私も、何時の頃からか霊や超常現象の話が好きになり、恐怖を覚えることはなくなりました。しかし、うつぶせで寝る習慣は今でも続いております。あの顔が怖いからではありませんが・・・。笑
See you next !!