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社会人26年目の私が語る  - 自分のキャリアと得したことについて

今と昔では社会環境も違うので、これからキャリアアップを目指す方の道しるべにはなりませんが、少しでも参考になればうれしいです。

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私は社会人として26年目を迎えました。

 

私のキャリアはITから始まりました。
新卒一括採用の枠組みの中で、独立系ITソフトウェア会社に就職をしました。

 

正直、就職活動中は、この自分がIT業界に就職するとは夢にも思っていなかったのです。大学時代は政治経済を専攻し、パソコンやプログラミングなども興味がないというか、大嫌いな方でした。

 

それが友人に誘われて、軽い気持ちで入社説明会に行った勢いで、とんとん拍子に内定をもらってしまってしまい、本命の業界へのアプローチを待たずして、やる気が失せてしまったのです。

 

当時はバブル崩壊の1年前で、まだまだ企業による新卒者の囲い込みが激しく、連日「DMはがき」や「就職キット」が届き、自分の部屋は企業案内の資料で足の踏みもないくらいでした。

 

そのような就職環境もあり、「この企業に入って、こんな仕事がしたい!」という就職願望は希薄していて、ただ何となく決めてしまいました。最悪な大学生でした。笑

 

しかし、この独立系ITソフトウェアに就職したことが、後のキャリアにとてもよかったと今では思っています。

 

この会社のキャリアは、得意先にプログラマーとして派遣され、そこで経験を積みながらシステムエンジニア、プロジェクトリードとして成長していくモデルが主流でした。そして、私は新人研修後に某都市銀行のIT部門に派遣されることになりました。
正直、ここには3年も居ないなと思いました。笑

 

日本の大手銀行は、金融庁の管轄下にありますから、当時から非常にプロセスルールやガバナンスが厳しく、かつ、バブル崩壊前の勢いにより大型案件が目白押しでした。

 

IT設計やプログラミングが仕事なので、自席での作業がメインです。
他社に就職した仲間たちは営業が多く、仕事が無い時は喫茶店やパチンコ屋で時間をつぶしたり、出先から直帰して17時から飲んだりと、そんな話が方々から舞い込んでくるのです

 

私はトイレに行く時でさえ、「トイレ」の札を置いて離席しなければいけません。そんな管理体制に嫌気を感じていました。

 

しかし、日本の金融機関という厳格な規制とルールの下、ITプロジェクトのプロセスについて学べたことが、その後の私のキャリアにものすごく生きました。

 

案件が豊富にありましたので、入社2年目から小さな案件のリードを任せてもらえたのも大きかったです。
案件の大小にかかわらず、開発のプロセスは同じですから、入り口から出口までを体験することが出来ました。さらには、銀行同士の合併という非常に大きなプロジェクトにも参画させてもらいました。

 

銀行での開発経験は約5年でしたが、ここでは次のような知的財産を得ることができたと思います。しかも日本で一番厳しい管理下に置かれていると言っても過言ではない銀行の開発プロセスを経験できたので、次にどこの業界に言っても通じるだけの土台を築くことができました。

 

1.要件定義フェーズ

  • 案件の所管部門と要件の確認をすることは、銀行業務を理解することにつながった。
  • システムの影響分析の手法(設計書からのアプローチと開発資源からのアプローチ)を学んだ。
  • 概算見積もりの算出方法(Unit単価の積上げ方式)と精度の向上策について学んだ。

 

2.設計フェーズ

  • 設計書「機能設計」と「技術設計」の違いについて学んだ。
  • それぞれの設計書に記述すべき内容とその精度(粒度)の適正化を知った。
  • 文書を定型化することにより、設計作業が効率化されることを知った。
  • 徹底して繰り返されるレビューにより指摘されるポイント、また、指摘するポイントを把握できた。

 3.開発フェーズ

  • メンテナンス性向の高いプログラムロジックの組み方を学んだ。
  • フローチャートを生成する事で、すべての業務プロセスは分岐と処理の集合体だということを知った。
  • テストの網羅性をどう担保するかを学んだ。
  • テスト結果のレビューを受ける上で、検証資料作りの基本を教わった。

 

4.その他全般

  • 何事においても自社のリーダー、銀行さんのレビューを受けるため、プレゼン能力が自然と向上した。少しでも意味不明なところがあると必ず突っ込まれました。
  • 銀行さんのユーザーやIT調査役の方と直接お話しをする機会が多かったので、コミュニケーション能力が向上した。
  • プロジェクトマネージャーとしての資質(基礎編)(コスト管理、スケジュール管理、リソース管理、問題管理)を獲得できた。

 

5年の経験を以って旅立つときが来た! 
外資系保険会社のIT部門に転職。

 

銀行の統合プロジェクトが完了し、ちょうと5年目を終えようとしていました。
自社の上司・先輩、行員さんとの関係も良好で、銀行の業務プロセスを勉強できることも楽しかったので仕事に対する不満はなかったのですが、自分の会社でないことに強く違和感を感じていました。

 

行員さんとの合同会議や慰労会などに参加させてもらっても、結局は外部の人間なんですよね。やっぱり自社のために仕事をしたいと思うようになっていました。

 

そんな時に先輩から外資系保険会社のIT部門で人を探していると紹介を受け、これも軽い気持ちでまず話だけでも聞こうと面接を受けることになりました。

 

ちなみに英語は全く話せませんでしたし、外資系は給料が高くても結果がでないとすぐにクビになるという、うわさもありましたので、本気度はあまり無かったです。

 

しかし、話を聞いてみると、日本に参入して古い会社なので、日本社と同じ終身雇用の制度を取っていたし、何より、自社のプロジェクトに携われることに一番興味を惹かれてしまい、急転直下、10月に面接を受け、翌年の1月1日入社で転職を決めてしまいました。

 

 

ところ変われば、立場も考え方も全く違う!!

 

これまでは客先に使われる身でしたから、いかなることの責任も最終的には行員さんにありました。もちろん、行員さんの信頼関係を得るために無責任なことはできませんが。
また、最終決定権は行員さんにありましたから、一度決定したことには従わざるを得ませんでした。

 

それが一転、今度は開発ベンダーさんに開発を依頼する立場になったのです。しかも、自分が担当するプロジェクトのスケジュールの遅延、コストオーバー、障害発生はすべて自分の責任になるのです。

 

そして、一番強く感じたことは、ITとユーザー部門が対等の立場にいるということです。いや、むしろ業務プロセスを完全に把握しているのはITであり、ユーザー部門より強い立場で意見することが多かったです。

 

逆にこれができないと、膨れ上がるユーザーの要望・要件に歯止めがかけられず、スケジュールやコストの超過リスクになってしまうのです。

 

これまで客先でお世話になっていた立場の人間としては、受け入れて許容する発想が基本でしたから、自分の裁量で物事を勧められるということは、とても新鮮というか、大きな喜びの一つでした。

 

その代り、自分の責任は大きくなりますね。
新しく入ったからといって、だれも手厚いサポートはしてくれないので、自分から積極的に発信していかないと放置されたまま時間だけが過ぎていきます。
この辺は、中途採用を多く活用する外資系会社らしいところだったかもしれません。

 

 

私にとってのこれまでのキャリアでよかったと思うこと

 

  • 最初の5年でITプロジェクトの基礎をしっかり修行できたことで、次の就職に有利に働いた。
  • IT業界から金融業界に参入したことで、新卒採用者が経験する営業店周りのキャリアプランを避けることができた。
  • ITロジックを知ることは、その会社の業務プロセスを一番理解することができる。これは他社に転職する上で非常に大きな強みになると思う。
  • 自分の裁量が大きな職場で働けたことは、精神的にも時間的にも自由度が増した。
  • ITはプロジェクト化することが多く、プロジェクト・マネージメントのスキルを習得できる。
  • プロジェクトはITに限らず、ありとあらゆる業界・業種に存在するので、新しい道に広がるチャンスがある。

 

他にも、プロジェクト・マネージメントのスキルに英語力を掛け合わせることで、さらに強力なスキルセットが誕生します。IT開発も中国、インドなどのオフショア開発が主流になるので、英語でコミュニケーションができることは、かなりのアドバンテージになると思います。

残念ながら、私は英語力が足りないので自分の良かった点に含めることができませんでした。笑

 

今後、新卒一括採用の枠組みがどう変化していくかわかりませんが、新卒者は是非、このアドバンテージを利用して、有利な就職に結びつけて欲しいと思います。

 

私から一つアドバイスができるとすれば、最初から給料が高くて有名な一部上場企業を目指す必要はなく、それが唯一の道でもないということですかね。
それよりも、最初の5~10年で、将来ののロードマップを描きましょう。そして、今、あなたが磨いているスキルが、将来のロードマップと結びついているか検証してください。

 

この気づきが早ければ早いほど、あなたの強い味方になってくれると思います。

 

See you next !!