稽古の中で腕を取られる練習をします。
どういうことかと言いますと、相手に片手を取られた瞬間、取られた手の指をしっかりと伸ばし、指先を相手の体の正面に向けることがとても大切になります。
私などはまだまだ稽古が足りず、どうしてもそこまで気が回らないのです。
稽古が始まるまでは、今日はしっかりと指を伸ばすぞと思っているのですが、いざ稽古が始まり、相手に片手を取られると技をかける事ばかりに気がいってしまい、手の事をすっかりと忘れてしまうのです。
なぜ指を伸ばすことが大切か。皆さんも次の実験をしてみてください。
まず右腕を前に伸ばしてください。その時、拳を握っていてください。
パートナーが伸ばした腕を上下左右に動かせるかトライしてもらってください。
おそらく、自由自在に動かすことができると思います。
あなた自身も動かすまいと力を入れてみてもいいです。それでもかなり簡単に動かすことができると思います。
次に「前へならえ」のように、指をまっすぐ伸ばしてみてください。その時、指先はパートナーの正面にしっかりと向け、腕に力を入れないでください。
その状態でパートナーに先ほどと同じように腕を動かすことができるか試しみてください。
どうですか?
こぶしを握っている時との違いを体験することができたでしょうか?
次に指の方向をすこし自分の内側に向けてみてください。
パートナーにあなたの腕を内側に押してもらってください。今度は内側に簡単に動かすことができると思います。
次はパートナーと交代し、同じことを繰り返しましょう。
どうでしたか?
相手に腕を取られたとき、指を伸ばすことの大切さを少しでも感じていただくことはできたでしょうか?
腕を取られるということは、相手に動きを制御されているように見えますが、合気道では、決してすべてを制御されず、自分の姿勢を崩さない術を学びます。
取られた腕は動かなくても、手首と指先は自由に動かすことができますよね。
それに取られていない腕や胴体、足も自由に動かすことができます。
いかに取られた腕の事を忘れ、そこに気持ちを囚われないようにするかが、合気道の面白いところです。
女性や子供に愛されている武道だということも、実に納得がいくのではないかと思っています。
See you next !!