その本はズバリ!
福嶋隆史著 「本当の国語力が驚くほど伸びる本」です。
https://www.amazon.co.jp/「本当の国語力」が驚くほど伸びる本―偏差値20アップは当たり前-福嶋-隆史/dp/4804761640
2009年に初版が発行された本で、図書館で見つけました。
ベストセラーにもなっているようでご存知の方も多いのかなと思いますが、私は今回初めて知りました。
ちょっと中を開いて読み始めたら、解説がわかりやすく、私にとって的を得た内容になっていたので、止まらなくなりました。
さて、私と息子が置かれた状況について述べておこうと思います。
今年の4月で5年生になった息子の国語力をどう伸ばすべきか試行錯誤していました。
我が家は塾や公文などにはこれまで一度も通わせておらず、小学校の授業と毎日の宿題が勉強のすべてです。中学受験も積極的に考えていません。
そのため、毎回テストで90点以上取れとか、通知表で「よくできました」をたくさん取れ、などという目標があるわけでもありません。その代りに「自分で考える力」を養ってほしいと思っています。
そのためには、たくさんのアイデアを作り出すための知識量を今のうちから取得する習慣を見に付けさせたく、常々読書の大切さを説いてきました。しかし、そこは小学生男子。おいそれと従う訳はありません。笑
テストの結果を見ても、文章の理解力の欠如が如実に表れていると感じていました。
例えば、算数では単純な計算問題で高得点を取るも、単位の変換問題や、時間の経過を問われる問題、文章の中から計算式に必要な数字を的確に拾い正しい回答を導くような問題の正解率が悪い。
国語では漢字の書き取りでは高得点を取るも、文章の下線部の言い換えや詳細を問われるような問題の正解率が悪い。
つまり、物を対比して考える力や、文章を読み解く理解力の不足が、すべての教科に渡って悪影響を及ぼしていることが明白でした。
言い換えれば、このウィークポイントを克服してあげることで、すべての教科の成績が飛躍的に向上するだろうと期待を持つことができました。
なぜわかっていながらこれまで放置していたか。親として反省すべき点はたくさんありますが、それを言っても仕方ないので、これから積極的に介入していこうと、教える術を調べ始めていたところの大発見でした。
息子には「俺の言うとおりにすれば、これから1年でクラスで一番の秀才にしてやる。」と豪語しています。笑
さて、この本の素晴らしいところは何か。
国語は何を教える教科なのか?
そのビジョンをはっきりと打ち出しています。
教科書を読み、自分が感じたことを感想文にまとめることが国語の目的なのか?
否、それは道徳で学ぶべきことである。
それでは国語とは何を学ぶのか?
文章の読み方や書き方には論理的な手順が存在していて、それを学び、論理的思考力を高めること。つまり、算数に「計算方法・解法」があるように、国語にも「書く方法」「読む方法」があるのだそうです。
これには驚きました。
本当にそんな論理的な法則があるのか?私も知りたい!と思いましたね。
さらに続けます。
論理的思考力を高めるために必要なものは3つ。
「言いかえる力」、「くらべる力」、「たどる力」だと言われています。
3つの力の意味とその習得方法は本を読んでもらうとして、ここでは「言いかえる力」の導入部だけ紹介しておきます。
***以下は著書から抜粋*********************************
「言いかえる力」は、3つの力の中でも中心的な役割を果たす、国語力の根幹である。
言いかえる力とは、「抽象化力(つまり)」と「具体化力(たとえば)」。
それでは抽象化力を使って、たった一文で作った作文を瞬時にレベルアップする術をお見せします。
「雨だと思っていたけれど、晴れた。怒られると思っていたけれど、怒られなかった。会えないと思っていたけれど、会えた。」
これは小学4年生の子が書いた日記です。
具体的なリズムのある面白い文ですが、これだけでは何をいいたいのか今一つ伝わってきません。
しかし、次の文が最後にあれば別です。
「つまり、予想外のラッキーな展開がかさなったというわけだ。」
この抽象的に言いかえた文が加われば、具体的にこめられたメッセージが急に輪郭をもち、浮かび上がるようになります。
次に具体化力を使って、たった一文で作った作文を瞬時にレベルアップする術をお見せします。
「今日の遠足は、とても楽しかったです。」
日記を聞くと、こういう抽象的な文ばかりが並んでいる子がかなりいます。
これだけでは何が楽しかったのか全く伝わってきません。
「今日の遠足は、とても楽しかったです。たとえば、原っぱで田中さんと思いっきりフリスビーをしたり、お弁当のおかずを山田さんと交換したりしたのが、楽しかったです。」
名文とは言えませんが、具体化した一文のおかげで、書き手のイメージがより明確に伝わるようになりました。
国語は「言いかえる力」を問う問題がほとんど。
例題 次の文章を読んで問いに答えなさい。
「雨だと思っていたけれど、晴れた。怒られると思っていたけれど、怒られなかった。会えないと思っていたけれど、会えた。つまり、予想外のラッキーな展開がかさなったというわけだ。」
問1
「雨だと思っていたけれど、晴れた。怒られると思っていたけれど、怒られなかった。会えないと思っていたけれど、会えた。」とありますが、この部分はどんなことを伝えようとしているのですか?25字以内でまとめなさい。
問2
「予想外のラッキーな展開がかさなったというわけだ。」とありますが、これは具体的にどんなことですか?50文字以内で書きなさい。
もうおわかりですね。
問1は、「具体」を「抽象」に言いかえなさい。という抽象化問題。
問2は、「抽象」を「具体」に言いかえなさい。という具体化問題です。
これが「言いかえ問題」を解くときの基本パターンです。
そして、読解問題のじつに5割以上を占めているのが、このパターンの「言いかえ問題」なのです。
「くらべる力」「たとえる力」を組み合わせて解く問題も含めれば、9割を超えるといっても過言ではありません。
***抜粋おわり*****************************************
いかがですか?
私自身、具体化と抽象化を意識したことがなかったので、衝撃的な内容でした。
私は中学受験を経験していますが、その時に知りたかったと思いました。笑
さて、福嶋氏は国語に特化した国語塾の主宰であり、そのホームページで「国語力」とは何か?
について説明されていますので、もし同じ年ころの子供を持つ方で、興味を持たれた方はご覧になってみてください。
See you next !!