家族が満足する家を建てるために
リノベーションを進める上で、たくさんの選択を強いられるのですが、この選択がすべて自分の価値観に合っていれば、100%満足した家が建つのでしょう。
しかし、リノベーションには想像以上の制約が付きまといます。
家族の価値観の違い、予算、法律・法令、土地の広さ・形状、建築様式、施工業者などなど、それはもう、想定外なことが山ほど起こります。
そして、一番の強敵は自分自身の欲求(満足)です。笑
他人の欲求(満足)は否定しやすいですが、自分の欲求(満足)を否定するのはとても大変な仕事でした。笑
人の欲求(満足)はコントロールすべきもの
ビジネスの世界でも顧客に対するサービスマネージメントはとても重要です。
どんなに素晴らしいサービスを提供しても、人は2回・3回と同じサービスの提供を受けると、それが普通のサービスだと感じるようになるのです。それを放置しておくと、やがて満足度の低下につながります。
欲求(満足)をコントロールする手段として、SLA(サービス・レベル・アグリーメント)を作成し、その範囲内でサービスの提供をすることを事前に合意します。
リノベーションをする時も、自分や家族の欲求(満足)を蔑ろにすると、計画途中でそれぞれの欲求(満足)を主張して揉めたり、予算を無造作に吊り上げるリスクが生じます。
逆に予算内で収めることに執着するあまり、本来のリノベーションの目的から逸脱し、欲求(満足)の低いものを中途半端に選択し、あとで後悔する事にもなりかねません。
欲求(満足)をコントロールするにはそれを知ることから始まる。
まず自分が求める欲求(満足)が何かを書き出し、優先順位をつけて家族全員に共有することから始めました。特に我が家の場合、義母と義妹と同居していますので、このプロセスはとても重要だと考えていました。
そこで、先日のブログで記載したとおり、コンセプトと優先順位付けによって、家族全員の欲求(満足)を最適化しました。
欲求(満足)を最適化する方法
- 妻、息子、娘、義母、義妹の欲求(満足)をヒアリングして、どうしても譲れないものが何かを確認する。
- 自分の欲求(満足)リストに家族の欲求(満足)を加え、優先順位の並び変えをしました。
これで家族全員の気持ちを包含した欲求(満足)リストの出来上がりです。
この欲求(満足)リストが、その後のあらゆる選択をする上での基本指針となりました。 優先度が最上位の欲求(満足)は、今回のリノベーションで絶対に達成するものとして扱いました。
もし私たちの予算を越えてしまう規模であれば、今回のリノベーションをあきらめるつもりでした。
もちろん、担当の設計士さんと相談しながら、予算も考慮し、当初の計画とは違う形で目的を達成したものもあります。
欲求(満足)を身の丈以上に設定すれば、出来上がった実物とのギャップに満足度は下がります。逆に、過度に小さく設定すれば、要件通りに出来上がったとしても、実物の物足りなさに満足度は下がります。
満足度を少しでも高めるために、たくさんの知識を身につける。
私がリノベーションをやろうと思った初期の頃は、ハウジングセンターやネットで綺麗な事例集を眺め、リゾートホテルのような明るくて解放感があって、オシャレな家にしたいなという漠然とした希望がありました。
この希望を単純に満たすには、どれほどまでに欲求(満足)を大きくすればいいのでしょうか?
- リビングは吹き抜けにして、床はブラックベリーの無垢材、壁は全体が白を基調とした石材を使用したい。
- ソファは2人がゆったり座れる淡いグレーにして、クッションは濃いブルーと淡いブルーのものを交互に置こう。
- 天井には隠し照明を施して、お酒を飲むためのカウンターを作って、すぐに料理とお酒がだせるおしゃれなアイランドキッチンにしよう。
書いているだけでワクワクしてきますね。笑
ただし、リビングの広さは12畳。
家族の寝室、お風呂、トイレ、収納を考えるとこの広さが限界という現実にぶち当たるのです。
そして、何となく自分の欲求は無理があると感じていながらも、まずは設計士さんやデザイナーにそのままの希望・要望をぶつけてしまうことが多いです。
専門知識を有するプロが作ってくれた提案をベースに選択するのが楽ですし、それが間違いないと思いますよね。
それは、正しいです。
彼らのアイデアや意見はとても重要です。素人には気付かない様々なアドバイスを持っています。
問題はそのアイデアや意見を聞いて、最後に選択するのは自分です。
その選択が自分たちの欲求(満足)に適したものなのかは、自分で判断し、納得した方が断然、完成後の満足度は上がります。
設計士やデザイナーはプロなので、建物の広さや予算を聞いた段階で、使用する建材のグレードや、設計の方向性など、どうすれば依頼主が満足してくれるだろうか。というだいたいのイメージは浮かんでいます。そして、あなたに欲求を満たす提案を出そうと、一生懸命考えてくれます。
それでも時間が無限にあるわけではありませんので、少しでも自分自身で知識をつけて、彼らにあなたの欲求(満足)をより詳細に伝えてあげてください。
次回は私がどのような知識を、どうやって習得したかを書いてみたいと思います。
See you next !!