今日は私が読んだ中でも、ひと際、異色を放っていた小説をご紹介したいと思います。
それは夢野久作の『ドグラ・マグラ』です。
まず表紙からしてオドロオドロシイのですが、
解説には「本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす」と 評されています。
そして、書き出しがまた独特なのです。
…………ブウウ――――――――――――ンンン――――――――――――ンンンン………………。
私がウスウスと眼を覚ました時、こうした蜜蜂の唸るような音は、まだ、その弾力の深い余韻を、私の耳の穴の中にハッキリと引き残していた。それをジッと聞いているうちに……今は真夜中だな……と直覚した。そうしてどこか近くでボンボン時計が鳴っているんだな……と思い思い、またもウトウトしているうちに、その蜜蜂のうなりのような余韻は、いつとなく次々に消え薄れて行って、そこいら中がヒッソリと静まり返ってしまった。私はフッと眼を開いた。
この書き出しを読んで興味が沸いた方は、是非読んでみてください!
「ドグラマグラ」は、夢野久作が10年近く構想、執筆に費やし、彼の作家人生をかけた作品で、発表した翌年に突然死を迎えました。まだ32歳の若さでした。
私は過去に3回読み返しましたが、読み進むうちに時間の感覚がマヒします。今ここで語っているのが誰で、どの時間軸に発生したことなのかが全く分からなくなるのです。
あれ?
このシーン、前にも出てこなかったっけ?と、何度も何度もページを遡っては、読み返さないとわからなくなるのです。
まず1回目はあらすじを気にせず、そのまま最後まで読み進めることをお薦めします。そして、2回目、3回目に夢野久作が仕掛けた迷路のトラップをクリアしてみてください。
こう書いているうちに、また読みたくなってしまいました。笑
彼の作品は他にもいくつか読みましたが、どれも奇怪で難解なものが多く、不条理なストーリーが好きな人には最高の作品だと思います。
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See you next !!