ゆとりある間取りを考える。
私がリノベーションを考えた最大の理由は、家の質を向上し、安全性と快適性を得たかったからです。
しかし、ただ言葉で言っても、具体的な数値(KPI)に落とさないと、果たして私が求める質の向上に達しているかわかりませんので、私が安全性・快適性を図る基準として使用したものを書いてみたいと思います。
■ポイント
・安全性の評価基準と評価方法について
・快適な間取り、収納、ゆとり、部屋の配置について ← 本日の話はコレ
・換気/通風の重要性について
我が家の場合、2×4構造のため、大幅な間取りの変更はできませんでしたが、居心地をよくするための工夫はたくさんありました。木造軸組工法であれば間取りは自由に変更できますので、フルリノベーションをお考えの場合は、是非、居心地の良い間取りについて検討してみてはいかがでしょうか。
今回は居住性を向上させるために私が参考にした情報をいくつかご紹介したいと思います。
間取り係数(ゆとり係数)をご存知ですか?
「基本の部屋」の床面積の合計を1.0とすると、「ゆとりのスペース」の床面積合計は0.5~1.5の間に納まります。これを合計した数値を「間取り係数」と呼び、大きい方がゆとりがあるということになります。
計算式: 間取り係数 = 建物坪数 ÷ 基本の部屋の坪数 (1.5~2.0の間で設定)
- 基本の部屋(リビング、寝室、ダイニング、子供部屋、和室、その他(書斎、趣味のスペースなど))
- ゆとりのスペース(玄関、キッチン、洗面所/脱衣所、トイレ、収納、廊下、浴室、階段など)
※ゆとりが欲しい場合は、間取り係数を1.8くらいにして計算しましょう。係数が1.5を下回ると間取りとして成立しないそうです。
居心地のいい間取りを考える
①部屋を配置してみる。
自分で部屋の間取りを検討してみるときに、いきなり細かく検討するよりも、
最初は大まかに考えていく方が検討しやすくなります。
- 最初は玄関、リビング、ダイニング、キッチン、浴室など必要な部屋を大小の楕円で並べる。
- 次に吹き抜けや階段で空間をつないで、上下階のイメージを書き出して見る。
- さらに敷地も含めてイメージする。
- 大体の輪郭がつかめたら、具体的な間取り図をつくっていく。間取りは方眼紙が便利。1.3cm角を1坪に見立てると、縮尺1/100になる。
②リフォームがしやすい間取り
- 構造上必要な耐力壁をなるべく外側に配置すれば、中は変更しやすい。
- 水まわりを下屋にまとめておくのもいい。
- 子供の成長に合わせて住まいを変化させていくには、開放的な間取りでスタートし、変化に応じて建具や簡易間仕切りで対応するとよい。
③テレビの置き場所はどこにする?
- 画面に直射日光が当たるのも困る。
- リビングのソファとダイニングチェアの両方から見たい場合や、キッチンに立って見られる位置を希望する場合もある。
④ちょっとした作業に便利なデスクコーナー
⑤家事動線からキッチンを考える
- キッチンを行き止まりにせず、廊下やほかのスペースに通り抜けできるようにしておくのもよい。
- 一般にキッチンの近くにあると便利なのは、洗面室、脱衣室、浴室、勝手口、サービスヤード、物干し場、玄関など。
⑤キッチンとダイニングの繋がり方
- 対面型キッチンとダイニング
- 独立型キッチンとダイニング
- アイランドキッチン型
- 並列型キッチンとダイニング
⑥楽に使えるキッチンのカタチ
- I型 最もポピュラー。シンクとコンロが同一線上にあるため、移動が左右の動きだけで済む。ただし、横に長くなると使いにくい。
- L型、コ型 シンクとコンロの距離が近く、動きが楽だが、コーナー部分の収納に難点がある。
- II型 シンクとコンロを別々に配置。「洗う+作業する」側と」「調理+配膳」が明確に分かれ、調理の段取りがしやすい。
⑦ユニットバスのサイズ
- 1坪(1616)タイプ 最も一般的なサイズ。浴槽に膝を伸ばして入ることができる。子供と一緒に浴槽につかっても窮屈さを感じさせない。
- 1.25坪(1620)タイプ 浴槽の大きさは「1坪タイプ」と同じだが、洗い場がゆったりとしており、2人並んで洗える幅がある。
- 浴槽、洗面、トイレが一緒になったホテル用もある。
⑧洗面所と脱衣所を分けてみる
一般的には、洗面所が脱衣所を兼ねていることが多い。しかし、脱いだ後の衣類や濡れたバスタオルなどがある脱衣所と来客や子供の友達なども手洗いに使う洗面所は、近くにありながらも仕切られているほうが都合がよい。脱衣所は浴室に付属するもの、洗面所はよりパブリックな場所として分けて考える。
⇒ 私は洗面所と脱衣所を分離しないまでも、もう少しゆとりが欲しかったので、洗面所・脱衣所に置いてあった洗濯機をドラム式に替え、階段下のスペースに設置しました。
キッチン、洗面所・脱衣所、洗濯機置き場が廊下とスペースで行き来自由にし、家事の導線を確保したのでこれまでより洗濯がしやすくなりました。
⑨衣類の収納場所を考える
- 衣類収納室を設け、家族の衣類を一か所にまとめる方法もある。着替え室と収納をもうける。
- コート類や通勤・通学着などを入れておくクロゼットを設けるのもよい。
- 玄関近くに納屋を作っておく。たまにしか使わないもの、季節もの、自転車等を収納する。
⑩気持ちよく寝れる寝室つくり
- 通風と換気。南北、または東西に風が抜けるような間取りが必要。
- 日当たり。東側に面しているなら、窓をもうけたい。
- 寝室は何畳必要か。
⑪寝室は何畳必要か?
洋室でつくる寝室の最低の大きさは7畳。
- 7畳(横2間、縦1.75間) ツインベッドではタンスは置けない広さ。
- 7.5畳(横2.5間、縦1.5間) ベッド2台とタンスなどを置く、最少のスペース。ベッドの足もとは1人がギリギリ通れる幅が確保できる。
- 8畳(横2間、縦2間) 過不足のない大きさ。
⑫家族とつながる子供部屋
2階につくるなら、リビングやダイニングに階段を設け、上り下りのたびに顔を合わせる位置にしたり、子供部屋からリビングを見下ろせるよう、吹き抜けに面してつくるのも一案。
- 複数部屋分のスペースを用意し、子供同士で同じ空間を「共有」することから始めるのがよい。将来的に間仕切り壁や建具を設けて対応することも可能。
- 最初から個室を作る場合は、一方を共用の勉強部屋、もう一方を寝る部屋にする方法もある。
⑬家族をつなぐ階段
- 1.5畳 直線階段 最も省スペースで、畳1枚半と覚えておくと間取りがしやすい
- 2畳 折返し階段(幅1間、縦1間) 大きさ1坪で、間取りがしやすい。
- 1.75畳 L字型(幅0.75間、縦1.5間) 直角に折れるタイプ。どの位置で折れてもトータルで1.75畳の面積が必要。
- 2畳 かな折り階段(幅0.5間、縦2間) 上り始めと下り始めの両方が折れるタイプ。
これだけ見ても、本当にたくさんの選択肢があります。
建物の広さ、そこに住む人数、子供の有無などによっても、それぞれ事情が変わってきますので、家族の皆と話し合って、皆さんにとっての居心地良い間取りを見つけてみてください。
See you next !!