■ポイント
・安全性の評価基準と評価方法について
・快適な間取り、収納、ゆとり、部屋の配置について
・換気/通風の重要性について ← 本日の話はコレ(収納について)
換気対策が、「人と家」の健康を守る
従来の住宅は、隙間が多く気密性能が低いため、夏は涼しくても冬は非常に寒いものでした。しかし最近は、夏・冬とも快適で健康な生活をおくれるように断熱・気密性能が強化された住宅が一般化しつつあります。
そこで改めてクローズアップされてきたのが、「通風と換気」の問題です。高気密で隙間のない室内に汚染物質がこもり、人と建物に害を及ぼすのを防ぐ必要があるのです。換気をきちんと効率よく行うことは、室内の空気が新鮮に保てるだけでなく、室内のゴミや湿気を排出し、室内・外の結露の発生も防止できます。それが「人と家の健康を守る」ことになります。
せっかく暖めた空気を換気により外部に放出することになるので、一見、矛盾しているように見えますが、要は、「断熱・気密・防露・換気」は互いに非常に密接な関係なので、常にバランスを考えながら、計画的に実施しなければならないということなのです。
「シックハウス」対策として、換気設備設置が義務化
平成15年7月に施行された改正建築基準法により、新築の住宅では、シックハウスの原因となる化学物質の室内濃度を下げるため、すべての居室に機械換気設備の設置が義務化されました。
この法律により住宅の場合、例えば、2時間で室内の空気を100%入れ替える容量の換気設備を取り付け、24時間運転する等の対策が必要になりました。例えば、新築住宅の居室の場合、「換気回数:0.5回/h以上」の機械換気設備(24時間換気システム等)の設置が必要です。
※換気回数0.5回/hとは、1時間で部屋の空気の半分が入れ替わることをいいます。
「計画換気」を実施する
最近では、あらかじめ換気の必要量と経路等を、家全体または部屋ごとに設定して、それを計画通り実施することが必要になりました。これを「計画換気」と呼んでいます。窓は、自然の風が通り抜ける所に。
住宅の窓の主な機能は、下記の3点が挙げられます。
1.新鮮な空気(風)を取り入れ、汚れた空気を排出する。
2.明るい光と、熱を取り入れる。
3.屋外への人や物の出入りに利用する。
この内、風通しは 1.となります。
室外からの空気(風)量は、窓の数、位置(方位も含む)、大きさにより決まります。室外から風を取り入れ、室内の温度・湿度をコントロールし、快適な空間を確保することは、省エネルギーにもつながります。また、自然の心地よさが感じられ、健康的であるといえます。
窓を開ければ、常に自然の風が取り入れられるようにしておきましょう。
窓の設置に際しては、風を取り入れやすい方位や位置だけでなく、取り入れた風の抜けていく先(同一の室内で反対側の窓や扉等)も、あらかじめ考えておくことが必要です。窓の位置は、「眺望や日照だけでなく、通風・換気にも配慮して、南面に大きく、東・西・北面には必要最小限にする」が基本です。
窓があるマイナス点をカバーする
窓を設置することにより、通風・採光・屋外への人や物の出入り等の機能が、居住者にとってマイナスになる場合があります。具体的には、下記の通りです。
マイナス点 例 対応策
余分な熱が出入りする 夏期の日射侵入 窓の遮熱対策
騒音が入る 道路からの自動車騒音 二重窓等による防音対策
屋外から覗かれる 近隣からの覗き 遮蔽物の設置
泥棒が入りやすくなる 窓ガラスを破り侵入 防犯ガラス等の使用による防犯対策
うちは今回のリノベーションは居住環境の向上が最大の目的となりますので、24時間換気システムは当然ながら設置しました。海外旅行で家族全員1週間以上も家を空けてしまうことがあるので、不在でも換気してくれるシステムはありがたいですね。
See you next !!