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家のリノベーションは楽しい(築35年の我が家をリノベーションして) -  使用する工法・建材の種類とグレードを知る その4

屋根
外壁     
内壁     
断熱材 ← 今日はココのはなし
床材

建具
間仕切り
照明

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断熱材は今回のリノベーションの最優先項目のため、事前調査には相当時間を掛けました。実際、設計士さんに想いを伝えたところ、意外な提案がありました。
2×4工法なので気密が軸組工法よりしっかりしているし、サッシを一番いい物にするので、それだけで十分に断熱の効果は得られる。断熱材の質を上げて、すべて張り替えるほどにお金を掛けても、そんなに効果が感じられないかもしれないので、現行の断熱材をそのまま生かし、剥がれているような箇所を新しい断熱材で補強する案でどうかということでした。

設計士さんは、予算をなるべく効率的に費用対効果の観点で提案してくれたのです。それはとっても有難く、有用な提案でしたが、私にとっては難しい選択ポイントになりました。確かに北海道や東北地方のような寒さはないかもしれないですが、これまでの我が家は、冬がめちゃくちゃ寒かったのです。効果が得られる得られないかは比較してみないとわかりませんが、比較はできません。

もし中途半端な対応で終わらせて冬寒いと感じたら、自分自身かなり後悔すると思いました。逆に断熱材の対応をしっかりした上で寒かったなら、これだけやって寒いのだから、これが限界なのだと納得できると思ったのです。

 最終的に設計士さんと相談して、現行の断熱材の上に新しい断熱をすべて貼りなおすこと、厚さも関東地方の基準を超えるレベルにしてもらうこと、予算の事はきにしないでいいということにしました。さらに、第三者機関にチェックしてもらう予定であることも伝えました。

使用した断熱材の素材は以下の通りです。
断熱材(床)       スタイロフォーム EX55mm
断熱材(壁)       アクリアネクスト  14K 89mm
断熱材(天井)    高性能グラスウール 10K 100mm,
断熱材(小屋根) 高性能グラスウール 14K 155mm


1.断熱工法の種類 ここでは木造住宅の断熱工法について説明します。

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1-1. 充填断熱工法
主にグラスウールなど繊維系断熱材を用い、柱など構造部材間に充填する工法です。現在、日本で最も一般的な断熱工法で、うちもこの工法です。

(特徴)

  • 柔らかい繊維系断熱材が使われることが多い
  • 断熱費用は比較的安い
  • 柱などの熱橋を加味した断熱厚となる
  • 繊維系断熱材の場合は防湿気密フィルムなどを使用する
  • 防湿気密層の施工に注意が必要(設備廻り、筋違いなど)
  • 建物内に施工するので敷地面積に影響することなく、建物形状の自由度が高い。

1-2. 外張り断熱工法
グラスウール、発泡プラスチック系断熱材が使用されます。ボード状の断熱材を躯体の外側に張っていく工法です。近年は年々断熱レベルも高くなり、特に寒冷地では充填断熱した上で外張り断熱を行う「付加断熱工法」も見られるようになりました。

(特徴)

  • 硬い発泡プラスチック系断熱材が使われることが多い
  • 断熱費用は比較的高い
  • 熱橋の影響が少なく充填断熱より断熱厚は薄くなる
  • 継ぎ目に気密テープなどが必要
  • 外壁の気密化が容易
  • 床下,小屋裏(屋根充填の場合も同じ)壁内空間が利用可能(配線・配管などの施工が容易)
  • 入母屋、寄棟の場合、断熱材の隙間ができないように注意が必要
  • 外装材の取り付け強度が低下しないよう施工に注意が必要
  • 建物外側に施工するので内部意匠の自由度が高い。

2.断熱材の種類
2-1.繊維系
動物や人工的な繊維でできているものを指し、比較的安価でありながら防音効果も期待できるものも存在します。ガラス繊維素材のものは、シロアリなどの害獣被害を防ぐことができ、火災にも強い耐性があるのが特徴です。ご自宅で音響設備を使用するという方におすすめできる断熱材と言えます。

セルローズファイバー
綿や新聞紙、段ボールなどが原料となっている断熱材です。ホウ酸や硫酸アンモニウムと結合させ、燃えにくくする効果や防虫効果が期待できるのです。特殊な加工が施されているため、比較的費用が高くなり施工にも手間がかかりがちになります。しかしながら、調湿性に優れているというメリットがあるため、多くの住宅で活用されている傾向があります。ご自宅で結露にお困りの方は、採用してみる価値が高い素材です。

インシュレーションボード
主に廃材を中心に成形された断熱材です。再利用した素材で作られているため、エコロジー的な観点からみると、豊富なメリットがあります。断熱材としての性能も高く、調湿性に優れ消臭効果も期待できる断熱材として活用することが可能です。

羊毛断熱材
羊毛を主原料とした断熱材であり、不要な羊毛をリサイクルしたものが多いです。湿度を保つために役立ち、結露に対して大きな効果が期待できます。同じく断熱性能に優れた素材と比べて、肌触りがよく人気が高まっている素材となります。

ロックウール
玄武岩、鉄炉スラグなどを高温で加工することで作られる断熱材の一種であり、耐火性能、吸音性に優れた素材となります。主に住宅の外壁と内壁の間に埋め込むように使用され、火災の被害増大を防ぎます。撥水性能の高さと、形状の保持が比較的簡単なことも広く普及している要因の一つです。

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2-2. 発泡プラスチック系
発泡プラスチック系の断熱材の特徴としては、防湿性が高く結露防止効果が期待できるものが多いです。また、板状になっているものが多いため、外張り断熱や床断熱の際に活用しやすい素材と言えます。価格は比較的高い傾向がありますが、形状の自由度が高く、多くの住宅に使用されている断熱材となります。ご自宅で結露がひどくてお困りの方や、湿度を抑えたいという方におすすめできる断熱材となります。

硬質ウレタンフォーム
プラスチック内部に、熱を伝えにくいガスを泡状に混ぜることで、外気の影響を遮断する能力をもった素材です。比較的高価な素材と言われていますが、住宅に採用されることも多く、快適に過ごすために効果を発揮する素材となります。f:id:air_aiki:20181011180527j:plain

ビーズ法ポリスチレンフォーム
ビーズ状のポリスチレンを発泡させ、金属の型を使用して形成される断熱材となります。水に強い性質をもち、比較的軽い素材とされています。耐久性に優れており、幅広い用途で活用されています。 比較的費用が安価であり、施工が容易であることも人気の要因の一つになります。

フェノールフォーム
欧州の寒冷地で生産されたのが起源となっている素材です。防火性能、耐薬品性などに優れており、火災を防ぐ際に重要な役割をはたすと言われています。熱を加えると炭化するという性質があり、延焼を限りなく防いでくれます。 他の素材に比べて加工がしやすく、必要な場所に必要だけ付けることも可能です。

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3.吹き付け系の断熱材及び断熱方法
施工を依頼する候補のうちの1社で最終的に依頼することはなかったのですが、そこの断熱方法が発砲ウレタンを壁に吹き付ける断熱方法を取ると聞き、それにはとても興味をそそられたので、ここで記しておきます。要は泡状のようなものをホース状のスプレーから噴射して壁に2重3重と吹き付けていくのだそうです。壁全体が泡状のもので吹き付けられるので隙間を防ぐことができるのです。値段はかなり高額になります。

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3-1. 特徴
この「硬質ウレタン」は、高い断熱性能があり、住宅の内側から直接吹き付けるため、気密に関する施行も同時に行うことが出来ます。気密工事も同時に行う上で、木材は年月の経過で痩せるため、木材への接着性能を高め、隙間(断熱欠損)を作らない吹付断熱材を使う必要があります。

断熱方法としては、「内断熱(柱と柱の間で行われる断熱方法)工法」となります。
したがって、現場にて直接、吹き付ける断熱材のメリットは、「高い断熱性能と気密性能」を同時に施行することが出来る上、大工さんなどが施行するグラスウール系の断熱材と違い、専門の吹き付け業者が責任施行で行うため、どんな住宅でも同様の性能が担保されるメリットがあります。

ただし、デメリットとして費用がグラスウール系(繊維系)断熱材よりも高額となるため、ローコスト住宅等ではほとんど使われることはありません。

3-2. 厚みと断熱性能
壁に噴射して吹き付けると「硬質ウレタンフォーム」が発泡して勝手に膨らみます。柱などの寸法は決まっておりますので、吹き付けられる断熱材の厚みも限界があります。「厚み換算」は、どれくらいの厚さを吹き付けるとどれくらいの断熱性能があるかをしっかりと確認して他の断熱材と比較する必要があります。

3-3. 吹き付ける面材(下地)
吹き付け断熱材を使って、住宅を断熱する場合は、「何に」吹き付けるかを知っておく必要があります。一般的に吹き付けられる下地材として多く用いられるのは、構造用合板や透湿防水シートなどに吹き付けられることが多いようです。

じつは吹き付ける断熱材は透湿防水シートには吹き付けてはいけません!なぜかと言うと、透湿防水シート協会という公の団体が望ましくない施行方法として紹介しているからです。透湿防水シートに直接、吹き付けると室外側にある通気層を塞いでしまう可能性があるため、状況によっては外壁の劣化が進みやすく、寿命が短くなることも考えられます。

4.一番良く使われるグラスウールの断熱性能は施工方法次第
我が家も断熱材にグラスウールを使用しています。それだけに断熱性能を発揮するにはしっかりとした施工がとても重要だということを知りました。そのため、第三者機関にチェックをしてもらうことを選択したのです。

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4-1. 特徴
グラスウールはガラス繊維で空気室に留まっている「空気の断熱性能」を利用して断熱している住宅用の断熱材です。そしてここが最大のポイントです!単純に密度が高ければ高い程、空気室が細分化され、繊維の太さが細ければ細い程、密度を高くすることが出来るため、空気室の細分化はより空気を留めておけることができ、断熱性能が良くなります。

また最近では柱と柱や間柱の間に断熱材を施工する内断熱の他に柱の外側に付加させて断熱する付加断熱として施工することで高い断熱性能を有することが出来ます。しかし、グラスウールは、水分を含むと重さからズレ落ちたり、空気が対流する空間があると断熱性能が悪くなる、断熱性能が落ちるというデメリットがあります。

4-2. デメリット
まず始めにグラスウールは湿気に弱く、結露水や湿気を貯め込むため(実際、吸水性等はないです)仕上がった壁の中で水分の重さにより、下にずれ落ちてしまいます。ズレ落ちたグラスウールはそのまま水分を含み続けるため、換気や通風などで乾燥しない限り、常に水分を含み、木材や壁などを腐らせ、カビが発生、住宅の寿命を縮める原因となります。また、ズレ落ちることで断熱材が無くなった部分からの熱損失が大きくなり、住宅の断熱欠損となりますので、夏暑く・冬寒くなる原因にもなります。

4-3. 対応策
グラスウールを選択する場合は、施工の仕方によって断熱性能が大きく変わってしまいます。そこでグラスウールの断熱に関する特徴や性質を理解して、防湿・気密対策を正しく行っている施工業者であるか確認しましょう。 

最後に私の経験から一言
とにかく断熱材の種類は豊富で、それぞれ適した環境に違いがあります。自宅周辺の気候や環境などをしっかり把握し、最適な素材を選ぶ必要がありますが、だいたい施工業者が普段使い慣れているものを勧められると思います。断熱材の素材もそうですが、施工の精度によって断熱効果が大きく変わってしまいます。せっかく高価でいい物を選択しても、施工が正しく行われていなければ、すべて無駄となってしまうのです。そのため、業者が普段から使用している素材でしっかりと施工してもらうことも重要です。

 

See you next !!