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家のリノベーションは楽しい(築35年の我が家をリノベーションして) -  使用する工法・建材の種類とグレードを知る その6

屋根  
外壁     
内壁     
断熱材
床材     
窓(サッシ)        ← 今日はココのはなし
建具
間仕切り
照明

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 窓(サッシ)の選択は家の質に大きく影響するものです。これまでの我が家は冬になると結露がひどく、カビに悩まされてきたので、これを解消するために複層ガラスでサッシが樹脂のものに全面差替えを行いました。しかし、窓の品質だけでなく、窓の大きさ・場所によっても快適さは大きく変化します。 

1. 家の向きで大きく変わる住まい
今回は、家の配置が真南より、角度が30度振れただけで、日射の取得と遮蔽状況が大きく変わる件についてご報告します。家の向き、つまり「住まいの配置」は、快適な住まいづくりのとても需要なポイント。「住まいの配置」とは、敷地に対して部屋や窓、建物をどのように配置していくか、ということです。「日射遮蔽」「日射取得」「通風」も、この「住まいの配置」によって効果が変わってきます。特に新しく家を建てる場合やマンションを購入する際なども、敷地の条件を知り、それに合わせた「住まいの配置」を考えていくことが重要になるのです。
夏の太陽の光をさえぎる「日射遮蔽」に関して、もっとも注意をしなければならないのは、どの方位だと思いますか?答えは、太陽高度が低く、日射しが部屋の奥まで入り込んでしまう「東」と「西」です。それに比べ、太陽の光をコントロールしやすく、暖かい太陽の恩恵を一番効率よく享受できる方角は「南」です。夏は太陽高度が高いため、突き出た庇や軒で、日射をさえぎることができ、冬は太陽の高度が低いため、庇や軒をかわして日射しを部屋の奥まで取り込むことができるのです。 

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2.明るさ・日当たり・明るさを考えた窓の位置
窓の位置は、機能と役割を考慮して決める。窓には採光、通風、換気、眺望という役割があります。また、窓は住宅のデザイン上重要なポイントでもあり、形状、色、位置、大きさにより、建物の外観にもアクセントをつけます。窓の位置は、日あたりのよい南側がベストです。敷地や隣家との関係を考慮して南側に窓を設けにくい場合は、断熱性の高い窓を北側に設けたり、天窓を設けることで、日射しや風通しを得られます。
南向きも、北向きも一長一短あります。窓の位置は採光や風通しを考慮し、1居室については2ヶ所の窓が理想です。窓の位置や大きさは、使い勝手、防犯、プライバシー等も考慮します。南側の窓は太陽光が入りすぎることがあるので、日射に対する遮熱対策を考慮します。東、西側の窓は朝・夕は太陽高度が低いため、家の奥まで強い日射しが入ってきます。日射に対する遮蔽対策(西日対策等)を考慮しましょう。北側は特に断熱性能を考慮する必要があります。断熱性能が低いと結露を起こすこともあります。天窓(トップライト)は壁面の窓に比べ3倍の明るさが取れるので、直射日光が入らないような位置(例えば北側)に設けるとよいでしょう。特に狭い屋根裏部屋等に設置する場合は夏季の徹底した遮熱対策が必要です。

3. 採光、換気、防犯を考えた窓の位置
3-1.採光にも、換気にも、窓は高い位置がベスト
窓は、高い位置に設置すると部屋の奥まで自然光をとり入れやすくなり、換気や通風にも有効です。また、採光や通風を考慮して、1居室に2箇所の窓が取れると理想です。窓の位置が高い方が部屋の奥まで自然光が入る。開口部(窓等)の位置決めには、防犯性も考慮。最近の調査では、泥棒の一戸建住宅への侵入方法の70%は、「ガラスを破り窓から」というデータがあります(警視庁の調査)。このように窓からの侵入被害が多いので、窓の位置を決める場合にも、防犯面から下記のような配慮をする必要があります。できる限り高い位置に設置します。
・外部に植木や塀等足場になるようなものがない位置に設置します。
・人目につきにくい位置には、なるべく設置しないようにします。
・人が侵入できないサイズ(例:幅が極端に狭い)にします。
3-2.ガラス破りによる侵入を防止する窓の対策
防犯仕様のサッシ(サブロック付きクレセントと補助錠が合計2ヵ所以上ある等)に防犯(合わせ)ガラスをはめ込んだ防犯窓を設置する。
3-3.高い位置にある窓の注意点は?
高い位置の窓は日当たりや採光の面では有利ですが、掃除等のメンテナンス方法もあらかじめ考えておく必要があるでしょう。汚れたまま放置された窓は、見苦しいだけでなく、採光にも影響があります。

4. 窓の数
4-1. 理想の数
各部屋2方向に2ヵ所以上の窓が理想的。日本の住宅は、夏の暑さを緩和することを目的に、「開ける」ことで自然の快適さを取り入れることを伝統としてきました。現在でも各部屋の南側はもちろん、東、西、北面、天窓を設け、明るさと通風の確保、湿気の防止等快適環境の維持を図っています。理想的には、各部屋2方向に2ヵ所以上の窓が適当です。
一戸建て住宅の場合、外壁面積の約1/3が窓面積といわれています。住宅一戸あたりの平均窓面積(板硝子協会調査)は、一戸建て住宅:31.1m2、共同住宅:13.0m2となっています。住宅一戸あたりの平均窓数((社)日本サッシ協会調査)は、一戸建て住宅:18.7窓、共同住宅:3.9窓です。これを標準と考え、窓の数、大きさ、位置を決めていけばよいでしょう。
4-2. 窓が多いと家全体の断熱性能は下がる
窓の数は多いほどよいとは限りません。明るさと通風を確保できれば十分です。壁は構造上不可欠です。家具等を置くためにも必要です。窓は壁に比べて断熱性能が1/5~1/2と低いので、窓面積が大きい場合、冬の寒さ、夏の暑さ対策として窓の断熱・遮熱性能を十分に考慮する必要があります。特に冬季には窓からの熱の流失が48%もあり、床・外壁・屋根に比べると圧倒的に大きくなります。窓の断熱性能が低いと、室内にひんやりしたゾーンができる。冬、暖房していても、窓際にひんやりした冷気を感じるのは、「冷ふく射」という現象。室内にひんやりしたゾーンを作ります。さらに、空気には、あたたまると上昇し、冷やされると下降する性質があるので、冬の窓面の冷気は下降気流(コールド・ドラフト)を引き起こし、部屋全体に拡散します。

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5. 窓の大きさ
南側に開放感を生む大きな窓を。明かりと開放的で「快適」な反面、熱の侵入に対する高度な知識で窓の選択をすることが大切です。窓には、採光、通風、換気、眺望という機能があります。日本人は特に大きな窓を好みます。大きな窓を南側に設け、太陽光をさんさんと室内に入れたいという要望が多くあります。特にリビングを吹き抜けにして大開口部(窓等)を設ける等、デザイン的にも居住的にも開放感のある空間が求められています。それと同時に冬場の日射取得ということを考えれば、南の窓は大きいほうがいいでしょう。今ドイツなど環境先進国を見ると、建物の南側の窓は非常に大きくなっているのが分かります。

6. 南向き
6-1. 南向きの窓は照明の節約効果も
冬場の日射取得と夏場の日射遮蔽を同時に考えることが重要。南向きの窓は、部屋の隅々まで採光が確保され、照明の使用時間の短縮にもなります。特に、南側に大きな吹き抜け空間を設けることで採光はもちろん、天井が高く開放的で伸びやかな住まいが実現できます。東向き、西向き、北向きの窓は、採光や通風を考え、必要以上に大きくすることはやめましょう。断熱、遮熱面で弱点となるため、別に対策が必要になります。6-2. 南向きの窓は日射しを遮る工夫が必要
部屋も窓も、すべて南向きにすることは、採光面ではメリットが多いのですが、室内への熱の侵入量が多くなり、夏の冷房費がかさみます。特に断熱化の進んだ住宅では、いったん室内に熱が侵入すると、外へ逃げにくい構造なので夏には熱を侵入させない対策が必要です。南向きの窓は、遮熱フィルムをガラスに貼るほか、内付けブラインド、外付けブラインドシャッター、すだれ等で日射しを遮る工夫が必要です。南側に隣家等がある場合は、あらかじめ日照時間等を考慮し、窓の位置、大きさを決めましょう。

7. まとめ
東向き、西向き、北向きの窓は、採光や通風に必要な最小限の大きさにとどめましょう。これらの方位からは、冬季の日射熱のとりこみがあまり期待できません。特に東西面は、夏季には強い日射が差し込み、冷房エネルギー増加の要因にもなります。 南からの日ざしは部屋の奥まで暖かい。ただし、隣地の障害物やプライバシー保護等の問題で南向きに大きな窓がとれない場合は、他方位に窓を設けます。北側の窓から見た景色は、逆光にならないため美しく見えるというメリットがあります。

 開口部(窓等)の断熱・遮熱対策が重要。
開口部は、壁と比べて断熱性能が1/2~1/5と大きく劣ります。特に、大きな開口部は冬季の夜間には室内の熱流出が大きくなります。大きな開口部には、断熱性能の高いサッシやガラスを選択するようにしましょう。    窓の内外に雨戸やシャッター、カーテン等を設置し(夜間には閉めて)、熱流出の防止に努めましょう。最近の断熱化の進んだ住宅は、いったん室内に入った熱は逃げにくい構造となっています。特に南向きの大きな開口部は、夏季には強い日射しの入り口になるので、遮熱対策が必要です。対策としては、室外の落葉樹、ひさし、すだれ、よしず、オーニング(日よけ)等が有効です。室内では、ブラインド、カーテンの設置等の工夫も必要です。 北側に設ける「小窓」は、機能を最優先させます。必要最小限の面積で、採光や換気に有効な開閉形式のものを選びましょう。           

 

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